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2009年01月08日

風景のような服/迷える仔牛(第4話)

迷える仔牛第4話

 一年前のパターデイルトライアルで優勝したのは、白地に黒い斑点がある牝のダルメシアンでした。
ダルメシアンは海を渡ったクロアチアの犬で、この辺りでは珍しい存在です。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%B3

 彼女の名前はガーディアン。地元の人たちの間では馬を導く神の犬と呼ばれていました。そして、太陽が草原の朝露をダイヤモンドに変える早朝と、太陽が草原を黄金色のじゅうたんに変える夕方に馬たちの先頭に立って草原を疾駆する彼女を、まるで自分の犬のように、誇らし気に眺めたものでした。
 彼女の飼い主はロジェという名の、いつも無言のフランス人。夏でもホームスパンのツィ−ドのベストとフェア・アイルのセーターを着ている変わり者です。
 彼は競走馬のブリーダーで、ダルメシアンを護衛犬として飼っていたのです。
 そして、彼にとって彼女がただ一人の友人でした。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A2%E5%B3%B6




 さて、仔牛がおかあさん牛と出会ったのは誕生してからひと月が過ぎてからのことでした。
 同じ時期に生まれた兄妹たちにくらべ、とてもとても小さかったので、おかあさん牛が横になる時でないとおっぱいを飲めません。乳首をやっとくわえたと思ったら、お兄さんと妹がじゃれあって来ます。お兄さんと妹は仔牛のしっぽをくわえたり、噛んだりして遊びます。白地の黒の仔牛のしっぽはふわふわして牛らしくはありません。きっと、ねこじゃらしか何かが仔牛のお尻にくっついているとでも思っていたのでしょう。
 そんな時、おかあさん牛は仔牛が落ち着いておっぱいを飲めるように、体を弓なりにして前脚と後ろ脚で優しく包み込んでくれました。そして、いつの間にか、仔牛は眠りに落ちていきました。

 仔牛がサンタクロースのロジャーと出会う三ヶ月前のことでした。

第5話に続きます…。

*バックナンバーはこちら・・・。
 第1話http://rogers.ti-da.net/e2228044.html
 第2話http://rogers.ti-da.net/e2228393.html
 第3話http://rogers.ti-da.net/e2231537.html



風景のような服






 1月19日にロージャースにやってくるカトリーヌ.アンドレがつくる洋服はアイルランドやスコットランドの風景との出合いから大きな影響を受けているそうです。





 彼女は語っています。





「初めて訪れた時,一瞬のひらめきがありました。色彩,荒削りの風景の中に点在する真っ赤な壁の家に、色とりどりの雨戸,青々とした草のなかにこつ然と構える黒々しい岩・・・その旅の印象を語りたいという気持ちに駆られて、言葉ではなく、マフラーを編むことで表現しようと思いました。そしてそれが最後はセーターになりました。」





 彼女についてのプロフィールからの引用です。

「ブックを持ってパリへ行き、良いきっかけを求めてあらゆるデザイン事務所を回りました。」そして1982 年,フリーランスのデザイナーとして仕事を開始、その後7年間にわたってイタリアの著名なカラー・デザイナー、ロザンナ・オルランディのパートナーとして活躍する。当時,オルランディの紡績はカシャレル、ウンガロ、ロディエ、フィリップ・モデルなど、オートクチュールのデザイナーにニットを供給していた。その後、1995年よりカトリーヌ・アンドレは自らのブランドで作品を発表。ミヨーにある旧なめし工場に株式会社アムラビを設立。最初の三年間はデザインから販売のフォロー,クライアントとの接触、プレタポルテのサロンを廻るなど、自らすべてをこなすハードな仕事をこなした末、その創造性が漸く認められるようになった…。





彼女の2008年秋冬コレクションから和歌の世界観に通じる印象を受けたがうなずけます。
彼女は色彩の言葉が解るだけではなく、風景の詩も理解する人なのです。

そんな素晴らしい彼女がロージャースにやって来ます。
http://rogers.ti-da.net/e2232694.html


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